まず、美容室のメニューですが以前もお話ししたように主要メニューでいうと、カット、カラー、パーマ、ストレート、トリートメントといったところでしょうか。(カラーやパーマ、ストレートを細かくは分けません、マニキュアやカラートリートメント、酸性ストレートなどは主要ではないと考えます)
主要メニューで考えるとおよそ20年ほど大きな変化は生まれていません。
メニューを多く見せるため(売上を増やすため)に細分化はされました。(ドライ、ブロー、シャンプーなど)
はっきりと言って美容業界でのメニューはすでに頭打ちを迎えています。
もちろんカラーやパーマ、ストレートでのダメージの軽減など細かい変化はあったとしても大きな変化は長いこと起こってはいません。
この少ないメニューで26万件の美容室が競い合っています。
地域密着型のサロンで言えば、全体のメニューの平均点を上げて営業しているでしょう。
都会や大きめの駅前で展開しているサロンなどは全体のメニューの平均点を上げつつ何かしらのメニューに特化したりそれを模索し始めていると思います。
前者の場合、今はまだその動きが通用するでしょう。ただこれから人口が減っていくことを考えると今のうちに何かしら特化していくことを検討するべきではないでしょうか。
あらかじめいっておくと技術だけにこだわる必要はありません。
サービスや接客の見直しや心持ちなども大事な要員となると思います。
ただ今回は技術面にフォーカスしてお話を続けます。
先に行っておくと日本の美容の技術は世界でもトップレベルだと思います。
日本人は手先が器用なのでこの業界にとどまらず技術面では世界で秀でています。
ただ、みなさんも日本人で競い合っているのも日本人です。
現状、日本の美容業界の技術については9割方どんぐりの背比べ状態だといえます。
これは技術者を否定しているのではなく、全体のレベルが上がりすぎてお客様自体大きな違いを感じていないところがあるということです。
話はそれますが、みなさんはお客様で髪の毛にこだわりを持ってお金をかけようとする人が人口の何割くらいか考えたことあるでしょうか。
男女の差はあるとしても安売りサロンがそれなりの賑わいを見せているところを見ても多くて3割くらいと私は予想しています。
それを考えるだけでもより人口が多い場所や人の行き来が多い場所にサロンをオープンするほうがよいことはわかると思います。
話を戻して、10年くらい前までは美容師は職人だからみたいな言葉を聞く機会がまだ多かったですが、今ではほぼ聞かなくなりました。
25年から30年前くらいであれば業界での競争は今ほどでもなくがむしゃらにトライアンドエラーを繰り返して技術を磨く方が多かったようで自分は職人だからお客様を選ぶなんてことができたかもしれません。
しかし、現在においては楽に情報が手に入り、その情報を信じきって自分にはできると思い込み、お客様を実験台にして髪の毛をびびらせたり、断毛させたりということを少なからず耳にします。
技術職はトライアンドエラーの繰り返しですが、接客も兼ねるこの業界で結果がわからないままお客様に施術してしまうことははっきりいって信じられません。
(時代が時代ですので訴えられる危険を伴います)
髪の毛というのは十人十色ではなく百人百色だと思って向き合わないといけません。
私は数はかなり少ないですが今でも職人と呼べる美容師さんはいると思っています。
彼らは知識に対して納得がいくまで学習とバランスよく実技もされています。そのくらいできて始めて職人となりこだわりを前面に押し出せるのではないでしょうか。
確かに他店との差別化を意識することでの焦りというものもあるでしょうが、技術職にとって経験値というものがいかに大事かはみなさんが一番よくわかっていると思います。
ですのでゴールをもう少し先延ばしにしてトライアンドエラーを繰り返して自身の納得のいくものになればお客様満足度にも反映されてサロンも賑わうのではないでしょうか。
何はともあれカラーで特化するサロンが多いように感じます。
昔からあるものですが、ブリーチに特化+最近注目されている塩基性の染料でのアプローチやウィービングによるハイライトや新しいもので言えばバレイヤージュなどでハイトーンのお客様が求めている色をわかりやすく表現していたり、ハイライトを活用した明るめの白髪染めもあります。
パーマやストレートでもコスメ系の薬剤でダメージを多く軽減していたり、お客様のニーズに対応したトリートメントの提案などいろいろな特化の仕方があります。
今上げた美容師なら知っているであろう技術でも美容師さんの年齢層が上がれば上がるほど塩基性って何?(これはまだわかります)今度ウィービングっていうのを取り入れようと思うけどどうやってするの?やコスメって何?と言ってくる美容師さんはみなさんが思っている以上にかなり多くいると感じます。
このような方々は残念なことに美容業界にもアンテナを張っていなく、ネットなども見ず、お客様から始めてその情報を得るのです。
これを聞くと昔からある技術でも磨けば勝負できると思うと思います。いえ、思うだけではいけませんすぐに行動しましょう。