美容師として技術と知識はバランスよく習得するべきものです。
年齢が上になればなるほど知識よりも技術が先行していて、下になればなるほど知識が先行してしまう傾向にあります。
これに関しては時代の流れが大きく関わっていると思います。
昔は今ほど情報が手に入りにくく、技術を見て盗めという時代で合ったかと思います。薬剤についても発展途上だったことにより今ほど確立した理論もなかったことでしょう。
今は逆に情報化が進み知らなくてもよい情報に目がいってしまいがちで、働き方改革の影響もありレッスンの時間もサロン側から強く言いにくくなっています。
私としても、うわべだけの情報に惑わされてろくに詳しく調べもせず、検証すらせずにあれもダメこれもダメとめんどくさいことから逃げているかたが多いように感じます。
この仕事は技術職です。楽して儲かる仕事ではありません。ましてや競争相手の数は年々増えていることに危機感を感じないのはなぜでしょう。
経営者であれば、オープンして3~5年くらいはいろいろ考えることがあったと思います。どうすればお客様に満足していただけるのか。どのようなデザインが流行っているのか。
ただ、今はどうでしょう。現状に満足しているというかたもおられる方もいるかもしれません。それはただのいいわけで、ただただ今の状態に慣れてしまっているだけです。
この業界以外でも誰にでもいえることですが、慣れというのが一番恐れるべきことだと私は思います。
慣れてしまうと見落としてしまうことや失敗も多くなり、イレギュラーに対応できず、大きなことは後回しにしてしまう。挙げ句の果てにそれらにも慣れてしまうという負のスパイラルに陥ってしまうことになる可能性があるからです。
これらも以前お話しした現状維持は衰退と言うところに繋がってきます。
情報は常にアップロードされています。時には今の今まで当たり前と思っていたことが、間違っていたことがわかり訂正されることだってあります。この業界は不確定要素が多い分、間違ったことを正解だと思い込んでサロンワークをしている可能性は十分にあります。
技術にしても一朝一夕では身につきませんし、新しい技術も増えていきます。
これらはどちらか一方が欠けているだけで、お客様満足度は一気に下がると思ってください。
どちらもバランスよく鍛えてそれを掛け合わせることではじめて結果が出ると思った方がよいでしょう。
なので、知識をインストールしたら技術でトライアンドエラーを繰り返し、納得した上であなたの良さもプラスしてお客様に提供しましょう。
知識についての補足です。
最初から答えを求めないこと。気になることがあれば、まずは自分なりに調べてみて自分なりに考えた状態で人に聞いてみる。(できれば答え合わせみたいな気持ちで聞いてみるとよいでしょう)
最初から人に聞いてしまうことで偏りが生まれてしまうことと苦労せずに得た情報ほど頭には入りませんから。場合によっては恥をかかずにすむかもしれません。